基本方針
救急・集中治療部(ICU・CCU12床、救急科一般病棟11床)は、専任の常勤医師で運営しています。一次から三次救急までの救急車搬入患者、時間外外来受診患者、さらには救急科一般病棟入院患者と集中治療室入室患者に対応しており、各診療科医師と連携しながら24時間体制で初期診療から重症管理までを行っています。滋賀県全体の医療を良くするにはどうしたらいいのかを常に考え、近隣の病院とも連携し診療を行っています。
初期研修・救急科専門研修
当科では、救急外来診療、一般病棟管理、集中治療が学ぶことができます。これらは救急科以外の専門医になっても、必ず役に立つと考えています。また救急科専門医研修プログラムでは、近隣の病院とも連携し、自由度の高い研修が行えます。経験豊富な指導医が、熱意をもって指導しますので、ぜひ一度病院見学にお越しください。
救急外来・救急病棟
当院救急外来(ER)は、大学病院ゆえ救急車搬送がメインとなりますが、徒歩受診される方でも当院かかりつけで急を要する患者さんや院内外来で急変された方など幅広く診療にあたっております。疾患としては、心大血管疾患、脳卒中、消化器疾患、敗血症、外傷、中毒、電解質異常など内科系外科系問わず幅広く対応しています。症状・症候から鑑別疾患を挙げ、検査を行い診断し、該当科に専門的加療をお願いするケースもありますが、特に敗血症、外傷、中毒など臓器横断的であれば救急科が主科となりICUあるいは救急病棟で入院加療を行います。特にバイタルサイン不安定症例は当科が得意とするところであり、積極的に当科で加療させて頂いております。
塩見教授新体制のもと、令和4年度より年々救急搬送数が増加しており、救急専門医研修プログラムの先生方も十分学んで頂ける環境だと思います。令和8年度(予定)からER新棟完成も控えており、当科は日々進化しております!
滋賀医科大学は県内唯一の大学病院かつ県内の先端医療を担う中核病院であり、救急集中治療医学講座は県内の急病患者さん、重症患者さんの初期救急対応から集中治療までをシームレスに行える講座でありたい、と思います。
集中治療室
集中治療室は、生命の危機にある重症患者を対象に24時間の厳重なモニタリングと先進医療技術を駆使して集学的治療をおこなう部門です。当ICUは、集中治療を担当する専属の医師が、24時間365日完全二交代制で専従する、High-intensity type ICU(closed ICU,mandatory critical care consultation)です。日本集中治療医学会により集中治療専門医研修施設に認定されており、現在12床で運営しています。朝夕にカンファレンスを実施し、治療方針について各診療科主治医と綿密に連携して治療に当たります。また、看護師、薬剤師、臨床工学技士、理学療法士、栄養士といった様々な職種がカンファレンスに参加し、チームとして診療に取り組んでいます。ICUに入室される方は、外科系では心臓血管外科や消化器外科などの大手術術後患者、消化管穿孔など敗血症を併発した患者、頭蓋内出血など全身管理が必要な脳神経外科患者、内科系では機械的補助が必要な循環器内科患者、急性心筋梗塞、敗血症、ARDS、急性膵炎、消化管出血、急性腎障害などで全身管理が必要な患者、一般病棟入院中に多臓器不全を併発した患者、心停止蘇生後患者など、多岐にわたっています。特殊治療としては、体温管理療法、急性血液浄化療法、ECMO、Impella、一酸化窒素(NO)吸入療法などを実施しています。また、主に滋賀県内から広く重症小児患者を受け入れており、年間50例前後の小児ICU症例の入室があります。入室する小児ICU疾患としては、心停止蘇生後、急性脳症、血液浄化や血漿交換を要する腎不全症例や川崎病、敗血症、細気管支炎や重症喘息などの呼吸不全症例、などがあります。