令和5年度 第13回 抄読会(4/21)
令和5年度 第13回 抄読会(4/21)
今回の担当は藤野和典先生です。
“Efficacy of inhaled hydrogen on neurological outcome following brain ischemia during post-cardiac arrest care (HYBRID II): a multi-center, randomized, double-blind, placebo-controlled trial”
日本の15病院で行われたRCTです。対象は20~80歳の院外心原性心停止蘇生後の昏睡患者で、盲検化されたガスボンベを用いて、2%H2添加酸素吸入またはプラセボ吸入を18時間行われました。主要評価項目は、 90 日後の脳機能分類(CPC)が 1 または 2 であった患者の割合でした。結果はCOVID-19の流行にて試験は中止され、目標サンプルサイズ334名のところ73名での報告になります。主要評価項目の相対リスクは、0.72;95%CI、0.46-1.13;P=0.15で有意差は出ませんでしたが、副次項目であるmRS、90日生存率では有意な結果でした。
世界に先駆けて日本でRCTを行ったというのがすごいと思います。また、結果も驚くような良好な結果でした。投与はボンベを人工呼吸器に付けるだけですので、簡便と言っていいと思います。今後ゲームチェンジャーになるのではないかと思います。意見としても本当だったらすごいという意見が多く出ました。今後の広がりが期待されます。
当科では2週に1回抄読会を開催しています。
クリクラ学生、研修医、レジデントにも参加してもらい、最新の文献を紹介し医局院全体の知識の向上を図っております。
もし院内のレジデント、研修医、医学生で内容に興味がありましたら、抄読会を撮影した動画がありますので、連絡をしてもらえれば共有します。